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佐甲 博之; 江川 弘行
no journal, ,
バリオン間の相互作用はハドロン物理の大きな研究テーマの一つである。ダブルハイパー核は原子核中にを2つ含んでおり、質量を測定することで間の相互作用の情報を得ることができる。そのためには、エマルション中でダブルハイパー核を生成してその崩壊過程を検出する手法が有効である。J-PARC E07実験はダブルハイパー核探索実験である。1.8GeV/cのビームをダイアモンドターゲットに照射し、反応により生成したをエマルションに入射する。エマルション上流に設置したSSD(Silicon Strip Detector)によってエマルション表面でのの位置・角度を予測することで、顕微鏡によるダブルハイパー核探索を効率よく行うことができる。2016年6月にKURAMAスペクトロメータのコミッショニングを行い、18枚のエマルションスタックにビームを照射した。これはE07実験全体の15%の量に相当し、10数個のダブルハイパー核が見つかると予想される。本講演では、E07実験の概要および2016年6月のデータ解析の現状について報告する。
谷田 聖
no journal, ,
Belle実験の全データを用いて、のDoubly Cabbibo-suppressed decay を観測した。これはバリオンにおける初めてのDoubly Cabbibo-suppressed decayの観測となる。この崩壊の分岐比を対応する崩壊に対する比として求めたところ、となった。これはナイーブな見積もりとほぼ同じかやや小さいくらいである。このことは崩壊においてW-exchange diagramはそれほど効かないことを示唆している。
小浦 寛之
no journal, ,
「崩壊の大局的理論」の核構造的な詳細に伴う変化、具体的には基底状態のパリティ変化に対応する改良を行った。大局的理論ではこれまで核構造的な詳細に伴う変化は取り入れられておらず、例えばG. Lorusso et al., PRL114, 192501 (2015)においてその点が指摘されている。今回、崩壊の核行列要素においてK-Y(小浦-山田)ポテンシャルKTUY(小浦-橘-宇野-山田)質量模型からの核構造情報を用いることにより許容遷移に対して選択則的な抑制を与えた。その結果核図表の広い領域において、Ca, Zn, Sn近辺といった、周期的に過小評価していた領域に対して系統的な改善が見られた。
辻本 和文
no journal, ,
原子力エネルギーを持続的に利用していくための最も重要な課題の一つは高レベル放射性廃棄物(HLW)の取扱である。分離変換技術は、HLWの潜在的有害度やHLWの地層処分に関する管理負担を低減有効であると考えられ、原子力機構ではHLW中の長寿命核種の核変換システムの一つとして加速器駆動核変換システム(ADS)を用いた階層型分離変換システムの各構成要素に対する研究開発を行ってきている。原子力機構が提案しているADSは、熱出力800MWの液体鉛ビスマス冷却システムであり、燃料にはマイナーアクチノイドを主成分とした窒化物燃料を想定している。ADS及び関連する燃料サイクル技術(MA分離、ADS用窒化物燃料の製造及び再処理)の実現には多くの解決すべき技術課題があり、これらの技術開発課題に関して、原子力機構では様々な研究開発を実施している。本発表では、原子力機構における研究開発の現状及び将来計画について報告する。
早川 修平; 佐藤 進
no journal, ,
J-PARC E07実験は、J-PARC K1.8ビームラインにおいて、ハイブリッド・エマルション法を用いたダブルハイパー核探索実験である。ハイブリッド・エマルション法とは、入射・散乱粒子スペクトロメータを用いてエマルションへ入射する粒子を測定することで探索時間を大幅に短縮する解析手法である。本講演では2016年6月に行われたJ-PARC E07実験の第一段階について解析状況を報告する。
金原 慎二
no journal, ,
ラムダ間相互作用を理解するためには、2つの粒子を核内に持つダブルハイパー核をとらえ、その娘粒子の核種を決定することが重要である。この技術は、電離損失の違いを利用して、原子核乾板に記録される荷電粒子の太さを評価することである。電離損失は荷電粒子の静止点からの距離に対して固有の値をもち、約100umまでのHe, Li, Be, Bの積分値はHに対して約4, 8, 12, 17倍であるため識別に期待できる。本講演では、解析状況および今後の展望を報告する。
市川 裕大
no journal, ,
ストレンジネスダイバリオンの系は近年熱心に研究がなされているものの、未だ明らかになっていない部分が多い。本研究ではJ-PARCにおいてd反応を用い、質量欠損法により生成粒子の質量スペクトルを求めた。, の生成領域については、得られた質量スペクトルは素過程の断面積を用いたモンテカルロシミュレーションと概ね一致していることを確認した。一方、(1405), (1385)の領域ではデータがシミュレーションに対して約30MeVシフトしていることを検出した。このシフトはY*N間の相互作用に起因しているかもしれない。また、前方散乱のスペクトルからは2.13GeV/c2付近にN-N転換反応の閾値におけるカスプ構造を検出した。また、陽子対を飛程検出器で同時検出し、終状態がpであることを要求した質量スペクトルから、K-ppとも解釈可能な幅の広い構造を検出した。得られた質量と崩壊幅はそれぞれ2275 +17-18 (stat.) +21-30 (syst.) MeV/c2、162 +87-45 (stat.) +66-78 (syst.) MeVである。これは、K-ppに対する束縛エネルギー95 +18-17 (stat.) +30-21 (syst.) MeVに相当する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器施設J-PARCは、400MeV線形加速器、3GeVシンクロトロン(RCS)、50GeVシンクロトロン(MR)の3つの加速器で構成される。この加速器ではMW級の大強度陽子ビームを生成・加速・供給を行い、ビーム標的照射後に生成された様々な2次粒子を用いた多目的実験に利用されている。RCSでは、短時間ではあるが、25Hzの速い繰り返しでの設計出力1MWの供給を実現した。利用運転では500kWまでの出力を達成している。本講演では、現在の性能や運転状況を報告する。加えて、検討中の将来計画に関しても述べる。
佐甲 博之
no journal, ,
RHIC, LHCの重イオン衝突実験においてはQCD相図の高温・低バリオン密度領域でQGPが発見された。一方、J-PARCで実現可能な核子・核子重心系エネルギー2-6GeVにおける重イオン衝突では、原子核密度の8-10倍程度の中性子星内部に匹敵する高密度物質が生成されQCD相構造の探索が可能と考えられている。J-PARCにおいては重イオン入射器を新設し、既存の3GeVと50GeVのシンクロトロンを使用することにより、核子当たり20GeVの世界最高レベルの1011Hzの大強度重イオンビームの加速が実現可能である。J-PARCにおける重イオン衝突実験は、ハドロン、レプトンを大立体角で測定可能である。特に事象毎の保存量の高次揺らぎを精密に測定し、STARで観測されているゆらぎの増加の検証を行い、臨界点の探索を行う。また、電子対, ミューオン対によりベクトル中間子の不変質量スペクトルの精密測定を行い、カイラル対称性の回復度を求める。
杉村 仁志; 佐甲 博之; 市川 裕大; 佐藤 進; 谷田 聖; 長谷川 勝一
no journal, ,
J-PARCにおけるHダイバリオン探索実験のための崩壊粒子飛跡検出器「HypTPC」を開発した。HypTPCはJ-PARCハドロン実験施設における大強度K中間子ビームを測定することや、粒子からの崩壊事象である、陽子や中間子の測定に適した検出器となっている。高圧試験なども成功し正しく検出器が動作していることを確認した。
Lee, T.-G.*; 安武 伸俊*; 西山 和也*; 丸山 敏毅; 巽 敏隆*
no journal, ,
中性子星内部や、高エネルギー重イオン衝突で生成される高密度の原子核物質は、非閉じ込め相転移を起こしてクォーク相が作られると思われていて、温度-密度平面での相構造が議論されている。特に低温高密度の領域に関しては最近カイラル凝縮相の存在が関心を集めている。その中でも特に、位置によって凝縮体の位相が変化する非一様カイラル凝縮相は、2種類の物理量を座標にとると波型や弦巻線型になるものが基底状態となり得ることが解析的な議論で明らかになっている。我々はこのエキゾチックな非一様カイラル凝縮相の構造を、空間3次元の数値計算で研究することを目指している。今回は、その準備段階の簡単化したモデルによる議論を紹介する。